言いたいことを言おうとしないひと
わたしの知り合い(男)のブー。魔人ブー系の愛嬌があるアラサー男子。
そんな彼はわたしの友達に思いをはせるが、ちっとも友達に告白する気配もなく、誕生日に某高級ケーキをまるまる買ってあげたくせにちっとも告白しない。告白しなよと言っても、でもだってでもだってでもだって…と言うデモダッテくん。
昨年のクリスマスに家で一人寂しくケーキを食べているとブーからメールが来た。
≪ねー、リミさん今何しているの?≫
<独り身ロンリーだからお家でケーキ食べています。訊くな>
≪ですよねww≫
傷口に塩突っ込むことすんなと思いながらも、なぜかブーの恋愛相談がはじまった。わたしの過去の失敗談である告白できる時にしておけを力説するが、そんなのできない告白できませぇんと言ってくる。するとブーからの不意な文面に驚く。
≪ねー、俺ってさ男としての魅力ない?≫
この事は常に友達と話していた。ブーには男としての魅力がないと。
フェロモンのなさはしかたがないにしても、デリカシーがない所と、ときたま携帯が停止している部分と、美的センスがまったくない部分を目をつぶれば基本いい子だ。彼氏がほしいと言う別の友達にブーを紹介を考えたが、携帯が停まることを考えると紹介することをためらうけどね。でも基本はいい人。
で、わたしはブーから魅力がないかな?というメールが来て戸惑った。いくらブーとはいえ素直にそうだね魅力ないよ!なんて言えない。だからわたしはオブラートに包みまくって思いのたけを返信した。
<イメチェンすればいいんじゃない?とりあえず雑誌買え>
≪雑誌わからないよー≫
<アメカジチックなサファリいいよ。あと20代後半ならゲイナー辺りもいいよ>
≪じゃぁリミさんコーディネートしてよ≫
<都合つけばね。でも、自分でも研究しろ。あと、ダイエットしろ>
≪リミさんもダイエットすればいいじゃん(笑)まぁ、よろしくお願いします♪≫
そうメールをしたブーは夜勤に戻り、わたしはダイエットは明日からだと思い残りのケーキを食べた。味気ないクリスマス。
ちなみに、年明け早々にブーが思いを寄せる友達には彼氏ができた。不戦負けしたブーは大切な試験に落ちた。ブーの友達が『あいつを励ましてあげて』と言ったほどブーには様々な災難が降り注ぎかわいそうだったが…言いたいことを言わなかったブー、いつまでもデモデモダッテじゃ何も始まらない。
けど、ブーに男としての魅力を身につけなと言えなかったわたし。そして、わたしは昔『草野球してるんだ』と言ってきた好きだった人に「草野球の応援行きたいなぁ。ルール教えてよ」と言えなかった過去のわたし。
まぁ、言いたいことはしっかり言ったほうがいい。伝えきれなかった気持ちほど、消化悪いものはないんだから。大人になればなるほど言えなくなることもあるけど、言いたいことはやっぱはっきり言える方がいいのかもね。